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流行を追うよりも、長く着られる服作りを。大塚に事務所を構えるブランド「eofm」代表の鶴田さんにお話を聞いてきました!

みなさん服を買うときはどこで買いますか?
お手頃価格で“流行”を取り入れることのできるファストファッションブランドが増え、そのおかげで誰もが気軽にオシャレを楽しむことができるようになりました。
その一方で、流行に振り回されるあまり、気がつくと「長く着ている服」ってあんまりないかもしれない…。
「長く着てもらえる服を作りたい」。 そんな想いを持ってここ大塚に事務所を構えているのが鶴田剛郎さん。
今回は鶴田さんのブランド「eofm(イオフム)」について、事務所兼多目的スペースでもある「eofm laboratory」内でお話を伺いました。

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*大塚駅南口から歩いて5分、宮仲公園通り近くのマンション内にひっそりとある「eofm laboratory」


eofmが目指すのは、“エスニック”ではなく“フォーク”なブランド

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*鶴田剛郎さん

記者「今日はよろしくお願いします! 早速eofmについてお聞かせいただけますか?」
鶴田さん(以下、鶴田)「eofm(イオフム)は、民族衣装をデザインソースとして、その機能性や美しさを日本に合う形で服に落とし込み、表現しているブランドです。ブランド名は“Experiment Of Folk Method”の頭文字からとった造語で、“民俗的手法による実験”という意味合いです」
記者「民俗的手法…?実験…?」

メンズ
*eofmで作られている服たち

鶴田「例えば暑い地域の民族衣装であれば、通気性をよくするためにいろんな工夫がされてます。地域で長い間親しまれているものだから、そこで生活するための機能が詰まっているわけです。私はそれらを研究し取り入れた服を作っています。それが実験的だなというわけなんです」
記者「なるほど。でも機能性を取り入れると言っても、日本の環境には適さないってこともありますよね?」
鶴田「ええ、温度や湿度などの環境が違いますからね。合わない機能は削いでいきますし、日本の環境に適した素材、形に変えています。民族衣装は日常の中で着られているもの。私が作る服も日本での生活に馴染むものにしたいんです」

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*写真右がデザインソースとなった民族衣装。左に並ぶ服たちは、パッと見ではそれを基に作ったようには見えません

記者「ところで、“民族衣装”と聞くと派手な色柄や装飾などを思い浮かんでしまうんですが、eofmの服はシンプルなデザインですね」
鶴田「それは私が“長く着られる服作り”を目指しているからです。色や柄には流行が出ます。そういったファッション的要素ではなく、地域に長く親しまれる民族衣装の機能性に着目し、そこにある美しさをすくい上げていきたいんです。民族衣装と言ってみなさんが思い浮べるイメージはエスニック(民族的)だと思うんですけれど、私が目指すのはフォーク(民俗的)なんです」

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記者「民族衣装に着目している理由はわかったんですが、きっかけはなんだったんでしょうか?」
鶴田「私はもともと世界の不思議とかが好きでよくそういったニュースを見るんですね(笑) ある日、中国のウイグル地区の洞窟でおよそ3000年前に履かれていたパンツが発見されたという記事を見かけました。写真を見ると形が今とさほど変わらないというか、今でも履けるなっていうものだったんです。こんなに長い時間通用するデザインがあるということに驚いて、そこからいろんな国の民族衣装への興味が生まれました」
記者「3000年前の服がきっかけだったんですね! 民族衣装の形が変わらないのって文化や芸術っていう側面もあるんでしょうけど、その地域での最適解の服だったっていうのもあるんでしょうね」
鶴田「そこを研究することで、長いスパンで着れる服ができるんじゃないかと思っています」


「人が作る」ことにフォーカスを当てる、eofm laboratory

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取材時には鶴田さんも参加するイベント「十年服展 玖」を開催中だった「eofm laboratory」。
「eofm」で扱う服はもちろん、クリエイター仲間たちのこだわりある作品の数々が展示されていました。
※「十年服展 玖」は終了しています

記者「普段は事務所として使用されているそうですが、こういったイベントはよく開催しているんですか?」
鶴田「よく…というほどイベントを行ってはいなくて。というのも、私がこの場所に越してきたのは去年の1月ごろなんです」
記者「そうだったんですね! 十年服展は9回目の開催だそうですが、それ以前はどこで?」
鶴田「それはずっとこの場所ですね。私が越す前からここはギャラリーだったんです。いつもそこで展示させてもらっていて、その繋がりもあって越してきたという流れになります」

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*「十年服展 玖」のレセプションパーティーでは、タブラやミシン(!)を使ったライブも行われました

記者「越すときにギャラリーとしての機能を引き継いだんでしょうか?」
鶴田「いいえ。ただ私自身、作ったものを発信したり、人と人とが繋がれたり、そういった空間作りにチャレンジしたいなという思いもあったので、eofm laboratoryを始めました。民族衣装もそうなんですけど、私は大量生産とは違う“人が作る”ということにとても魅力を感じるんです。なのでこの場所も、私が面白そう!と思う人だったり、その人が作る物だったりにフォーカスを当てて、来てくれたお客さんやクリエイター同士でコミュニケーションが図れるような…そんな濃い場所にしていきたいですね」
記者「では、貸し出すかどうかは鶴田さんジャッジってことですか?」
鶴田「ですね(笑) 一応私が常駐する事務所なので、毎日目に入ると考えると、興味のある人や物にいてほしいという気持ちがあります」


大塚はリラックスできる居心地のいい街

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*モロッコから取り寄せたというランプシェード。インテリアにもこだわりが見えます

記者「越してきた経緯は前の方との繋がりもあってということでしたけれど、大塚に対して思うことってありますか?」
鶴田「そうですね、大塚に越したのは流れで…という部分はありましたが、そもそもギャラリーの場所が渋谷や原宿、新宿だったら…展示はしていなかったと思いますし、大塚だから良かったっていうのはすごくあるんですよね」
記者「アパレルの展示なら原宿の方が注目されそうですが…」
鶴田「確かに刺激的だけど、情報過多な場所は疲れますね。展示ならまだしも毎日通勤はしたくないかな(笑) 大塚はリラックスできる雰囲気だし、eofmの“長く着られる服”というテーマに合う場所だと思っています。 あといいな、と思うのは“人が受け入れられている”ように感じるところです。住んでいる外国人も多いし、旅行客も、昔から住んでいる商店街の方も、新しくお店を開く人も…いろんな人たちがいて、街に馴染んでいて…だから私も居心地がいいのかもしれません」

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*植物が好きで、いずれ庭を鬱蒼としたジャングルのようにしたいとのこと

記者「そんな大塚に住む人たちに服を作るとしたらどんな服を作りますか?」
鶴田「難しい質問ですね(笑) うーん、動きやすいゆったりした服がいいかな。駅前の公園でのんびりできるような。子供と一緒に遊べるような。そんなリラックス感が、私が感じている大塚のイメージですね」
記者「今日はありがとうございました!」

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流行を追いかけて、次々生み出され消費されていく服とは対称的な、「eofm」の“長く着られる服”。
大塚はいろいろな人から「ゆったりしてる」「懐かしい雰囲気」と言われる街ですが、そんな大塚と鶴田さんの服作りとは重なる部分があるかもしれない、と話を聞く中で感じました。
それは、流行を追っていない、イコール時代遅れという意味ではないのだということ。
長い歴史を持つ民族衣装を研究し、ていねいに作られた鶴田さんの服は、あたたかみがありながらも洗練されていて都会的。
大塚という街にも、「新しいものこそがいいもの」という価値観ではなく、元々あるものの楽しさを発見できる街でいてほしいな、なんてことを思った記者なのでした。

eofm(イオフム)は「BIRD 池袋」「MONT LIVRE鎌倉」などのセレクトショップで取り扱っているそうですが、見つけたらレアものだそう。
事前に連絡すれば「eofm laboratory」内で服を見ることができるとのことなので、興味がある方はぜひeofmへお問い合わせください!

eofm/eofm laboratory
【住所】東京都豊島区南大塚2-37-11 #102(1階奥)
【電話番号】03-6902-2473
【HP】https://www.eofm-lab.com/home





記者:クルバ
本業デザイナーの新米記者。大塚歴はまだまだだけど、だからこそ感じ取れる大塚の新鮮な魅力をたくさん紹介していきたいです。
興味があるのはアートやグルメ!チャームポイントは丸メガネ!シーザーサラダとお肉に目がねぇ!こんなプロフでいいかねぇ?

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