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大塚のこれまでとこれからを知りたい人必見!『大塚まちづくりシンポジウム』に行ってきました!

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2018年12月2日、大塚まちづくりシンポジウムが南大塚ホール開催されました大塚駅南北自由通路開通10周年を前に、南北大塚の連携による「まちづくり」をテーマに開かれた今回のシンポジウム。大塚のこれまでとこれから聞きに訪れた人々で、ホールはほぼ満席となりました。高野之夫豊島区長をはじめ、大塚のまちづくりを支えるキーマンがそろった貴重なシンポジウムをレポートします

 

豊島区の変革に「大塚」はなくてはならない存在

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プログラム前半は4人の登壇者による基調講演で、高野之夫豊島区長による『豊島区のまちづくり(大塚駅北口整備計画)』からスタートしました。豊島区は現在、国際アートカルチャー都市構想を掲げ各所で開発ています。2019年東アジア文化都市日本代表にも選ばれました。大塚駅北口周辺の整備工事(2019年夏〜2020年夏予定)も、区全体で推進改革一環となっています。

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豊島区は2014年に消滅可能性都市と指摘されて以来、ピンチをチャンスに変えよう!と、さまざまな挑戦をしてました。持続発展都市を目指した対策によって徐々に年少者の人口え、ついに今年40年ぶりに区の人口が29万人を突破。2017年に共働き子育てしやすい街ランキング総合編で1位になったのもそんな取り組みが評価されたからでしょう

講演の中で、「東アジア文化都市2019豊島」のプロモーション映像が上映されました。少女が豊島区の歴史と魅力を発見する冒険アニメーション。こちらは当事業のホームページで見ることができますよ。 https://culturecity-toshima.com/

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今後展開されるアフター・ザ・シアター(アート・カルチャーの鑑賞後に余韻を楽しめる場の実現)を検討する懇談会では、大塚のまちが適しているという意見が多く集まりました。南口の駅前広場が完成し、北口もオリンピックを目指して安全安心な駅前空間が生まれる。大塚は大きな激動期を迎え注目を浴びていです」

大塚駅北口駅前整備計画と、大塚のまちづくりについても力を込めて語った高野区長。住民や関係機関との協議によって2009年に実現した大塚駅南北自由通路の開通が、大塚が変わるきっかけになったことを振り返りました。大きな転換期を迎える豊島区にとって、大塚のまちへの期待は高まるばかりです。 

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シンポジウムに先駆けて高野区長にインタビューもしています。大塚駅前開発の詳細はこちらをご参照ください。 

『大塚のまち、こんなに変わるの?! 2020年に向けて動き出す、今がチャンスのまちづくり! 大塚駅周辺開発について高野区長にお聞きしました! 』 

 

大塚駅北口周辺の変遷から見えてきた!数々の起爆剤が大塚の未来をつくる 

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続いての講演は、大塚北口商栄会会長の菊池章二さんによる『「明るい」「奥行きのある」大塚駅北口を目指して』。大塚駅周辺を盛り上げる活動に注力してきた菊池さんが映し出すスライドには、戦後間もない頃の大塚駅前から、時代とともに大きく変化するまち並みが映し出され、懐かしさのあまり会場からはどよめきが起きました。

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「東京大空襲によって焼け野原になったところから、常に大塚駅前は形を変えてきました。特に南北自由通路の開通を機に、それまで分断されていた大塚の南と北との間に人の往来が生まれ、周辺の商店街が一つになって大塚商人祭りが開催されるようになりました。新しい大塚は、この時にスタートしたのではないでしょうか」

来年の北口の整備工事の一環として、南北を結ぶ道路に自転車の専用通路も新設され、南口の地下駐輪場も使いやすくなることが期待されています。しかし課題も残されており、北口側から都電へ乗り換える際の導線確保については、現在も交渉が進められています。

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「北口はこれから生まれ変わろうとしています。商店の生き残りが厳しい時代に、星野リゾート OMO5東京大塚や東京大塚のれん街が新しい風を吹き込んでくれました。年を追って大塚の起爆剤となる開発が進んでいることを実感しています。地元の人もゆっくりできて、外来者もくつろげる。明るく奥行きのある、安心・安全なまち、住んでよかった、来てよかった、そんな大塚したいのです」

北口のまちを見つめ続けてきた菊池さん。皆さん、ぜひ一緒にがんばりましょう!という力強い呼びかけが印象的でした。

 

駅前をなんとかせねば!から生まれた憩いの南口広場とバラの散歩道、そして地域の絆

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北口に続いて南口からは『地域みんなで盛り上げよう、大塚駅南口広場』と題して、大塚駅周辺を考える会の事務局、城所信英さんが登壇しました。かつて、駅前を埋め尽くす放置自転車が歩行者の通行を妨げ、大問題となっていた南口。その状況をなんとかしようと、1992年、大塚駅周辺を考える会が立ち上がりました。

「地元の皆さんの意見を聞く会を幾度も開き、大塚駅のバリアフリー化や南北自由通路開通に向けての働きかけ、そして、駅前広場空間の再整備という課題と向き合い、2002年、『人と環境に優しい脱モータリゼーションの21世紀型広場』というコンセプトで整備計画を区に提案しました」

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こうして住民の意見を大きく反映した広場が「TRAMパル大塚」という愛称で2017年に誕生。拡大した歩行者空間にはさくらやバラが植えられ、憩える広場となりました。その広場の周囲から向原駅へと伸びる都電荒川線(東京さくらトラム)。以前は沿線に放棄されたゴミや自転車、繁茂する植物に悩まされていました。山手線唯一の路面電車という地域の資産を生かさねばと、地元の女性たちが中心となって沿線のわずかな幅の緑地帯にバラを植える計画が進められました。

「全てをバラにすることに価値がある、という意見で、行政などの協力のもと地元の人たちで整備を積み重ね、大塚駅から向原駅までの約500メートルがバラの散歩道に生まれ変わりました。女性たちによる日々のたゆまぬ手入れの他、毎月第3日曜日は誰でも参加可能な全体作業日として活動しています」

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こうした取り組みが評価され、豊島区の美しい街並みづくり大賞、全国花のまちづくりコンクールで国土交通大臣賞を受賞。現在、TRAMパル大塚では数々の催しが開かれる他、毎朝、清掃とラジオ体操とをセットにした活動も発足。住民主体のまちづくりが、城所さんを中心に広がりを見せています。

 

観光案内のプロの視点で大塚のおもしろさを解説

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最後に『星野リゾートが見つけた大塚の魅力』というテーマで登壇したのは磯川涼子さん。2018年5月に大塚駅北口に誕生した、星野リゾートOMO5東京大塚の総支配人です。「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」がコンセプトのOMOシリーズ。最大の特徴は、ご近所全体をリゾートとして捉え、街全体を楽しめる「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」という仕掛けがあることです。

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「まち歩きのガイド『OMOレンジャー』が、お客様と一緒にお店や見所を巡るツアーを企画しています。5人のレンジャーたちには、それぞれ得意分野があって、自分が大好きで紹介したい!絶対体験してもらいたい!と思う所にお客様をお連れしています」

大塚のまちの隅々まで案内するコースは2時間で、観光客はたいてい2件くらいのお店を巡ることになります。暖簾(のれん)や看板を出していない入りづらさを感じるお店も、OMOレンジャーの案内で足を踏み入れることができ、思いもかけない体験ができるようになっています。

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「大塚は老舗の暖簾が守られ、花街の歴史からナイトカルチャーが財産になっています。近代化された駅前と違う、このまちならではの顔が商店街によって形成されていますよね。昭和レトログルメが並び、日本酒の聖地でもある。最近はクラフトビールも盛り上がって、レベルは高くとも親しみやすいお店がたくさんあります」

OMOレンジャーが語る都電荒川線(東京さくらトラム)のトリビアを聞きながら、ノスタルジックな沿線を散歩するツアーも人気なのだとか。地域と一体となってまちの魅力を見出し、楽しむための仕組みをつくるOMO5東京大塚。これからますます大塚を盛り上げてくれそうです。

 

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後半のトークセッションに移る前に、アーティストの伊藤さやかさんが登場しました。ロンドンでの音楽留学を経て、ホテルのディナーショー、大塚商人祭りやおおつか音楽祭の司会などで活躍中の伊藤さん。「大塚は隠れたジャズのまち。素敵なジャズの会場がたくさんあるのでぜひ行ってみてくださいね」と、この日の参加者に美しい歌声をプレゼントしました。

 

トークセッション「私たちが考える、大塚まちづくり」

後半は高野区長、菊池さん、城所さん、磯川さん、伊藤さんの5人によるトークセッションでした。3つのテーマで語られた内容を簡単にご紹介します。(以下、敬称略)

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▼大塚はどのように変わるのがいい?

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菊池_豊島区の行政の方と一緒にさまざまな対策を取るエネルギーが必要。予想外のことも起きるだろうが、伸ばすことと対策することとを町会と商店街が一致団結して取り組んでいきたい。
城所_街の活性化というと、商業的賑わいをもたらすとか、来街者が多くなることに焦点が当たりがちだが、基本はそこに住んでいる「人」。大塚の良さは、ヒューマンサイズのまちであり、大きな箱物ができることはいいことなのか、という視点もいつも忘れずに持っていたい。
高野_南北が手を結んだ今日のシンポジウムは画期的。大塚というまちの奥深さを大切にして欲しい。

▼大塚駅北口整備計画についてどう思う?

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城所_南口はタクシー乗り場を追いやり北口に受け入れてもらったが、その代わり駐輪場を有することで、南北で機能を分けあう道筋ができたことは歓迎している。
伊藤_素敵なハードができたら、素敵なソフトを用意していただきたい。大塚に住む外国人が増えているが、彼らの国の文化を紹介するイベントが行われるといいと思う。
磯川_昭和レトロな商店街のあたたかい雰囲気を残したまちづくりをしていただけたら、ますますおもしろいまちになると思う。
菊池_今まで北大塚にはシンボル的なものがなかったが、北口広場にできるモニュメントを象徴として、北大塚のスタートにしたい。

▼30年後、大塚はどうなっている?

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菊池_外国人が増えてさまざまな言葉が飛び交い、都電もタクシーも無人化し、商店街は看板も電柱もないタイル張りになり、24時間営業になっているのではないかと思う。
磯川_世界中から東京という場所ではなく、大塚という場所を目指してお客様に来てもらいたい。そのためにもユニークな大塚らしさを残して欲しい。
伊藤_世界中がキャッシュレス、24時間営業となる中、大塚の商店街はあえてキャッシュで買う、というテーマパークのような存在になっているのでは?
城所_人口が減少し、高齢者、外国人の割合は非常に高くなるだろう。商店街はもっと集約されているかもしれない。そこまで見据えた上で、国籍や年齢層を超えた、人と人とのつながりを大切にしたい。大塚なら、きっと立派なまちになると思う。
高野_豊島区は文化都市、国際都市を目指すのと同時に、環境都市でなければならない。北口の整備では、イチョウの木を残すかどうかが問題となり、若い木を植栽し循環させることを選択した。樹木と同様、次の世代へとつなぎながら、環境づくり、まちづくりを大塚の住民が一体となって築き上げてくれることを願っている。

 

「大塚をもっと楽しくもっと住みやすく。住民みんなで未来を描けるまちにしていこう」という想いが込められた今回のシンポジウム。大塚の歴史を刻む、新たなまちづくりを実感できる会となりました。

 

 

記者:後藤菜穂
フリーランスライター。元ピアノ講師。大塚歴は浅めですが、変わりゆく大塚の情報はしっかりキャッチしたいです。ただ、気に入った場所に入り浸る習性もあるため、開拓はもっぱら人任せ。呼ばれてホイホイついて行く派です。

 

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