大塚新聞は東京・大塚の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

老舗で学んだ「やぶそば」の極意を大塚に届ける、「おり戸そば切り やぶ」の魅力の秘密は….?

こんにちは〜!
大塚新聞「グルメ担当」です。

今日は、大塚に美味しい「やぶそば」を食べさせてくれるお店があるというので、さっそく行ってきました!

大塚駅北口を出て、坂を上っていくこと7分ほど。「やぶ」と書かれた大きな看板と、和な雰囲気の落ち着いた外観が見えてきたら、それが「おり戸そば切り やぶ」です。

お店の中は、小上がりが2席、テーブルが6席。これまた和風な内装で、控えめに流れるクラシックのBGMにホッとします。

そして、お店の中でひときわ目を引くのが、そばを打つためのブース! ガラス張りになっているので、うまく時間が合えば実際のそば打ちを見ることもできるんです!

西海さん
「うちのお店は、手打ちなら負けないっすよ!」

そう話してくださったのは、このお店の店長、西海直克さん。1年前にこのお店をオープンする前は、やぶそばの老舗、「上野やぶそば」で20年働いていたそうです。

そもそも、やぶそばって一体何?

西海さん
「そば粉には、製粉や“ふるい”わけの度合いによって、一番粉、二番粉….と、四番粉(末粉)まであるんですけど、その中の三番粉を『やぶ』と呼ぶんです。粉が緑色っぽいのが特徴ですね。

そば粉とは、タデ科の一年草ソバの種(実)を挽いた粉のこと。よく「更科」と書かれた御蕎麦屋さんがありますが、あれは一番粉を使ったそばのことらしいです。白色で、ほのかな甘みがあって、いわゆる「最上級」と言われているそばで、そば独特の香りや風味が控えめなのが特徴。一方、「やぶ」は、醤油の味が強く、塩辛いそばつゆで食べるんですって。そばつゆを、ほんのちょっとだけつけて食べるという、江戸っ子独特の蕎麦ルールは、この「やぶ」から始まったとされています。

「死ぬ前に一度、つゆをたっぷりつけて蕎麦を食べたかった」と言って“こと切れる”江戸っ子の話を用いた落語家、10代目金原亭馬生による「そば清」で、この「やぶそば」の存在が広く知られるようになったのだとか。

それはさておき、西海さんがここ大塚でお店を開こうと思ったのはなぜですか?

西海さん
「元々、住んでいるのが豊島区だったので、その近辺で探していた時にこの物件を見つけました。お蕎麦って、手打ちで20人前作るのに40分くらいかかるんですね。数があまり捌けないというか….このくらいの面積がちょうど良かったんですよね(笑)」

なるほど〜。「カレーハウス ホーリーヘッド」さんといい、「担々麺 鳴龍」さんといい、割とそんな感じで大塚を「開業の地」として選ばれる方は多いのですね。そういう意味では、「初めてお店を持つ人」にとって、大塚って相応しいのかも!

大塚新聞
「お店を開くまでに苦労したことってありますか?」

西海さん
「七味入れや皿、お椀など、一つ一つ選んでいくのが大変でした。お品書きを作ったりするのも。七味入れ一つ選ぶにも、お店には沢山並んでいるわけじゃないですか。その中から、お店の雰囲気に合ったものを見つけ出すっていうのが、とにかく時間かかりました」


あ〜、なるほど。「神は細部に宿る」って言いますもんね。そういう細かいこだわりが、お店のカラーを決めるんでしょうね! では、「おり戸そば切り やぶ」さんの、オススメのメニューは?

西海さん
「まずは、天ぷらです。クルマエビを2本揚げているのですが、ごま油は『マルオウ純正胡麻油』を使用しています」

ほー! なになに? 「厳選した良質のゴマのみを使用し、低温でじっくり焙煎してから優しく圧をかけて搾った黄金の油を、和紙でじっくりていねいに濾している」んですって?

西海さん
胡麻油なのに、このまま飲めるんですよ。しつこくなくて、傷みにくいというので、試しに使ってみたら本当によかった。普通の胡麻油って、すぐ酸化して黒くなってしまうんですけど、これはずっと黄金色を保ったままで」

わおー、それは是非とも食べてみたいです!


ひゃー! なんという香ばしさ。エビ自体はぷりっぷりなのに、胡麻の風味が効いたコロモに包まれることで、絶妙な歯ごたえを生み出しております! しかも、お蕎麦は歯ごたえシャッキシャキ。ほんのり辛味があって、さっぱりした味が病みつきになりそうです。

西海さん
『鴨せいろ』も絶品ですよ。“脂の乗り・肉質共に最上質”と言われている岩手産の鴨を使用しているんです」

な、なんと。じゃあ、それも食べないわけにはいきません!


わおー! これまた美味。柚子の風味がほんのりと効いたそばつゆ、柔らかくて美味しい鴨がたまりません。あたたかいつゆにつけて食べると、これまた違った食感を味わえて興味深い。最後に「蕎麦湯」の飲み比べをしてみましたが、まったく違う味を堪能できて幸せでした(笑)。

大塚新聞
「それにしても、同じ「手打ちそば」でも、お店によって味が全く違うのは何故なんでしょう?」


*こちら、2種類のそば粉をブレンドして作っているそうです

西海さん
「これはもう、口では言えないような力加減だったりするんですよね。麺をさわったときの、本当に微妙な違いを判断することだったり。比べるとすぐわかると思いますよ。全然違う。それは、打つ人によっても全然違いますし。何が違うのかうまく説明できないけど、なんか違うんです(笑)」

な、なるほど….、でも、きっとそうなんでしょうね。言葉では言い表せないような、微妙な味覚の差にこだわり続けているからこそ、この美味しさがある。これからも、おいしい「やぶそば」を提供し続けてくださいね!

——————–

「おり戸そば切り やぶ」
東京都豊島区北大塚1-34-9
03-6903-6536
11:00〜21:00(L.O):そば終了早仕舞いの場合あり
毎週木曜日定休

Share (facebook)