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一歩入れば異国の空間! B級グルメの聖地「世界飯店」のクセになる美味しさ

こんにちは、「大塚新聞」グルメ担当です。

以前から、どーしても気になっていたお店があるのですが、今回はそこを紹介してもいいでしょうか。

その名も….

「世界飯店」

どうですか皆さん。大きく出ましたよ。「世界」ですよ「世界」。「世界の飯」が食べられるんですよ。そんなスケールの大きな店名と、この可愛らしい看板の字体。ちょっと昭和っぽいというか、レトロというか。蛭子能収先生や横尾忠則先生の世界観にも通じるような、アヤシイ….いや、エキゾチックな外観。

「一体、どんな料理が出て来るんだろう」

お店の前を通るたびに好奇心を募らせておりました。

実はこの「世界飯店」さん、「B級グルメ」の代表的な存在として、様々なメディアで何度も取り上げられた無国籍・薬膳料理店なんです。「安くて、庶民的で、しかも美味しい」とあれば、行かない理由なぞありません。さっそく潜入…いや、訪問してまいりました。

お店に入った瞬間、「あれ、ここは どこだっけ? 今はいつ?」状態。まるで、アジアの大衆食堂に迷い込んでしまったような、不思議な感覚に陥ります。棚いっぱいに並べられたお酒、ちょっと色褪せたポスター、ホワイトボードに手書きのお品書き。赤いテーブルや、中華風の装飾がほどこされたイスも、異国情緒をそそります。

メニューに目をやると….

鴨の丸焼きをドヤ顔で掲げるこの方が、店長の徐さんです。

大塚新聞
「店長さん、今日はよろしくお願いします! こちらのお店って、いつ頃オープンしたんですか?」

徐さん
「確か昭和58年だったと思います」

てことは、西暦に直すと1983年。今から32年前ですね。わらべが「めだかの兄妹」を歌ったり、YMOが「オレたちひょうきん族」に出演してコントやったり、高倉健さんの「南極物語」が大ヒットした時代! 

「たろー!」
「じろー!」

徐さん
「….」

大塚新聞
「あ、いや、すみません。ちょっと取り乱しました。店長さんはベトナム出身なんですよね。どうして日本に来ようと思ったんですか?」

徐さん
「日本に来る前は、香港とか東南アジアとか色々な国を見て回ったんですけど、当時はまだアジアは貧しくて、その中で日本が一番発展していたんです。アメリカと日本、どちらに移住するか考えて、日本を選びました」

大塚新聞
「日本のどういうところが好きだったんですか?」

徐さん
「やっぱり明るいね。それに安全。夜でも一人で歩けますよね。清潔だし、礼儀正しい」

大塚新聞
「大塚でやろうと思ったのはどうして?」

徐さん
「しばらく大塚に住んでみて、『ああ、この街好き!』って思った。駅のホームも2つしかないから間違えることもないし(笑)。ビルも少なくて道も平ら。だから好きね」

あー、なるほど! 確かにそういう意味では、お店に迷わずたどり着けそうですよね。

大塚新聞
「オープンしたての頃は大変でした?」

徐さん
「うん、大変だった。ベトナム料理を出すお店なんて全然なかったから。でもそのうち、『なんか面白いメニューを出すところだ』とかね、『他のお店と味がちょっと違う』とか、そういうところでちょっとずつ話題になって。話す言葉が違うのも面白かったみたい。外国人のお客さんも、『ふるさとの味を食べた気がする。懐かしい』って言って来てくれるようになっていって」

大塚新聞
「日本人にとっては新鮮で刺激的だし、アジアから来た人たちには懐かしい場所になったんですね。やっぱり30年以上経営していると、お客さんの層も変わってきましたか?」

徐さん
「うん、時代によって違うね。バブルの頃は、日本人以外だとミャンマー人やマレーシア人が多かった。今は中国人とベトナム人が増えたね」

大塚新聞
「へえ、それは面白いですねえ。時代によってそんな変化があるなんて」

徐さん
「そうそう。今、大塚はベトナム人多いよ。大塚は、自分たちの国と似ていて住みやすい」

大塚新聞
「え、そうなんですか? どんなところが?」

徐さん

「歩きやすいところ(笑)」

大塚新聞
「やっぱりそこなんですね!(笑)ところで、お店のメニューなんですけど、目玉はやっぱりこの『焼鴨飯』(1000円)ですか?」

徐さん
「うん、そう。鴨は中国の伝統料理なんだけど、ベトナム風の味付けも合うかなと思って、20年くらい前から始めました。北京ダックだと皮だけでしょ? それ贅沢(笑)。広東風のだと肉も一緒に食べるから、お腹もいっぱいになるね」

メニューを見ると、「鴨肉はビタミンAビタミンB2コラーゲンカリウムカルシウム鉄分などがたっぷり含まれています」って書いてあります。しかも、「鴨肉に含まれる不飽和脂肪酸は、体内のコレステロール濃度を低下させる働きがあり、メタボリックシンドロームが原因の様々な成人病を予防する効果があるとされています」ですって。さらにさらに、「鴨肉のジューシーな脂は摂取しても脂肪分として蓄積されないので、女性の方にも安心。ダイエットにもおすすめの美容食材と言えます」ですって。

いいこと尽くめじゃないですか。

徐さん
「そうそう。だから女性のお客さんも多いですよ」

大塚新聞
「他にオススメのメニューは?」

徐さん
「ベトナム料理だったらやっぱりフォー。あとは鶏のもも肉を蒸した『白油鶏(むしとり)』(880円)とか、「猪足黒醋」(豚足の黒酢煮:980円)とか。『臭豆』(まめの辛炒め:1000円)も、好き嫌いあるけど美味しい。好きな人はクセになるね(笑)」

大塚新聞
「味付けにはどんな工夫をしてますか?」

徐さん
「他のお店よりも油を使わないように工夫してるし、肉はちょっと柔らかめにしてる。タレも片栗粉とかあまり使ってないので、香りも良いし素材の味も引き出すようにしています」

大塚新聞
「わー、じゃあさっそくいただきます」

徐さん
「どうぞどうぞ。何にします?」

大塚新聞
「今、紹介してくれたメニュー、全部ください!

まずは、「猪足黒酢」。黒酢で煮込んだ豚足はプリップリで、コラーゲンたっぷり。骨も柔らかく、コリコリした歯ごたえが病みつきになりそうです。黒酢の酸味も控えめで、ネギの辛みもいいアクセントになっていました。

続いて出てきたのは「白油鶏(むしとり)」。鶏のもも肉を蒸した料理で、中国では春節料理、つまり日本で言うところの正月料理なんだそうです。ほんのりとした塩味と油が肉の旨味を引き出していて、シンプルなんだけど飽きのこない、まさに王道=スタンダードな味でした。

はい、このお店のイチオシ料理「焼鴨飯」。鴨肉皮の、カリカリに焼かれた鴨の皮と、やわらかなお肉は味付けもさっぱり。お好みで特製タレをかけて、ご飯やザーサイ、キュウリと一緒に丼飯のようにかっこみます。

そう、B級グルメの醍醐味は、この飾りっ気のない「男の食べ方」にあるのです。もちろん、ご飯もご一緒に。いい具合にパラついたご飯は、ちょっと炒めてあるのでしょうか。タレが染み込んだ、昔懐かしい食感がたまりません。この素朴な味が、ロングセラーを続けている秘訣なんでしょうね。

そして最後は、「臭豆」。文字通り、ちょっと臭みがあって「好き嫌い」が分かれるそうですが、唐辛子とニンニンク、2種類のエビを炒めた香ばしい風味は、食べれば食べるほど病みつきになりそう。これ、メシもビールも進みそうだなあ。仕事じゃなかったらビール頼めるのになあ….。

美味しい料理に舌鼓を打っていると、小学生の女の子がおもむろにお店に入ってきて、ランドセルを下ろしカウンターのテレビを見ながら宿題を始めました。どうやら店長の娘さんらしく、気が向くとお客さんにお水を運んだり、注文を取りに行ったり、お店のお手伝いをしていました。

アヤシイ…いや、エキゾチックな外観と、異国情緒あふれる店内、素朴で懐かしい味と、家族ぐるみのユル〜イ(?)雰囲気。「世界飯店」は、一筋縄ではとても語ることのできない、深イイお店でした!

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世界飯店
東京都豊島区北大塚2-14-8 日米ビル 1F
03-3918-1918
11:00〜翌1:00
日曜営業

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