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マイルドでヘルシー! 麺にもスープにもこだわる「創作麺工房 鳴龍」の担々麺

みなさん、こんにちは。大塚新聞の「グルメ部」担当です。
大変長らくお待たせしました! 大塚にある美味しいお店を紹介するコーナーですよー。

記念すべき第一回は、「担々麺の常識を打ち破る美味しさ」として、ラーメン通を唸らせる有名店「創作麺工房 鳴龍」さんにお邪魔しました。いやー、初回からこんな素敵なお店を取材させてもらえるなんて。大塚最高! 

はやる気持ちを抑えて、早速行ってみましょう。大塚駅南口から徒歩10分弱、大通りからちょっと路地に入ったところに「鳴龍」と書かれた上品なサインが見えたら、そこがお店です。

中に入ると、カウンター席が10席のみ。思ったよりもこじんまりとした印象ですが、席と席の間隔が広いので、よくあるラーメン屋の「窮屈」なイメージは全くありません。

斎藤さん
「店内を居心地の良い空間にするために色々工夫しましたね。いくら美味しいラーメンでも、隣の人と肩がぶつかるような環境では、とても味わって食べられないじゃないですか。あと、椅子が高かったり背もたれがなかったりするのも落ち着かないと思って、こういう内装にしました」

そう話してくださったのは、店長の斎藤一将さん。そもそも、どうして大塚にお店を出そうと思ったんでしょうか。

斎藤さん
「自宅が駒込にあるんですよ。最初は駒込に出店しようかと思ってたんですけど、全然物件がなくて。それで巣鴨で探したり、田端でさがしたりしてたんですけど、やっぱりない。気づいたらこんな路地裏で開店してました(笑)」


「食べログ」や「ラーメングランプリ」での受賞楯が飾られていました

大塚新聞
「『鳴龍』という名前の由来は?」

斎藤さん
「日光東照宮の天井に描かれた『鳴き竜』から取っています。『鳴き竜』の下で手を叩くと、まるで龍が鳴いているように響くんですけど、そこから『お客さんに共鳴してもらえるようなラーメンを作り続けたい』という思いを込めました。あとは、オープンした年が辰年で、僕も嫁も辰年なので(笑)」

大塚新聞
「なるほど、色んな意味や思いが込められているのですね。お客さんはどんな人が多く利用されてます?」

斎藤さん
「うちは担々麺だけじゃなくて、塩ラーメンと醤油ラーメンもあるんですけど、そんなに脂っこくなくてサッパリした味なんです。他のラーメン屋と比べたら、油の量とか半分くらいだと思いますよ。それでいて、出汁が効いてるっていうのが特徴なので、おじいちゃんおばあちゃんもよくいらっしゃいます」

大塚新聞
「油でごまかすのではなく、出汁で勝負するわけですね」

斎藤さん
「化学調味料は使わず、天然出汁でスープを作り、そのコクで旨みを出しているんですよね。なので、いつもの担担麺をイメージして、うちの担担麺を食べたら最初は驚くかもしれません。『え、これ担担麺ですか?』って言われたこともありますよ。やっぱり、中華料理って辛口が多いですし、素材がわからなくなってしまうくらい調味料を入れるじゃないですか。うちは、素材の味を引き出すために調味料を使っているので、他のお店よりもマイルドに感じるかもしれないですね」

そういって見せてもらったのがこちらのスープ。丸ごと入った鶏をグツグツと煮込み、この後「隠し味」として、さらに牡蠣を投入するのだとか。

斎藤さん
「牡蠣は好き嫌いがあるので、香りは飛ばして『旨味』だけが残るようにしています」

大塚新聞
「そんなことができるんですね!」

斎藤さん
「結構難しいんですけどね。あと、うちは天然の食材を中心に使っているので、同じ分量で作っても、日によって味がどうしても変化してしまう。常連さんはみなさん、目ざといから(笑)、『あれ、今日は牡蠣の味が出過ぎじゃない?』とか突っ込まれることもありますね」

大塚新聞
「天然の食材だったら、多少の味の変化は致し方ないというか…そこが醍醐味のような気もしますが」

斎藤さん
「いやいや、それでも味を一定にさせてこそプロですから。まだまだ修行が足りませんね」

うーん、なんて謙虚。そして勉強家。頑固一徹な職人気質と、人懐っこい笑顔のギャップがたまりません。
元々は護国寺の有名店「ちゃぶ屋」で修行していたという斎藤さん。香港店の立ち上げに行き、そこで2年ほど料理長を務めていました。「ラーメンのコース料理を出す」という富裕層向けの高級店で、麺をシャリに見立てた寿司を出すなどしていたそうです。

斎藤さん
「その前は、中華レストランで働いていました。ホテルへ出張し、宴会や結婚式のコース料理を作ることもありました。とにかく、量がすごいんですよ。入ったばかりの若い頃なんて、ネギのみじん切りを2時間3時間やったり、それが終われば大量の調味料をひたすらかき回して、っていう」

大塚新聞
「それはキツそう…ほとんど肉体労働ですね」

斎藤さん
「まさに。そこは高級中華料理屋さんで、確かに美味しかったんですけど、『1万円のコース料理なんて、ごくごく限られた人しか食べられないよな』と思うようになって。昼時にふらっと入って、ラーメンやチャーハン、餃子なんかを気軽に食べられるような店の方が、作り手としてもやりがいがあるんじゃないかと。そうこうしているうちに、どんどん麺料理に魅せられていったんですよね。『ちゃぶ屋』に入ったのも、自家製麺を出しているところだったからなんです」

大塚新聞
「なぜ、担々麺にしようと思ったんですか?」

斎藤さん
「中華レストランで担々麺を作ってた頃から、『自分だったらこういう担々麺を食べたいな』って思ってて。他のお店を回ってみても、自分が思う担々麺ってなかったんですよ。だったら自分で作ってしまおうと」

大塚新聞
「オープンしてすぐ繁盛しました?」

斎藤さん
「最初はなかなか入らなくて暇でしたね(笑)。それで、大通り沿いにある自転車屋さんの前に、お願いして看板を置かせてもらったりしてました。そのうち昼時のサラリーマンが少しずつ来てくださるようになって。あとはやっぱり、『ちゃぶ屋』出身ということででラーメン評論家たちに来てもらったり、テレビで紹介されたりしたのも大きかったですね」

では、早速「担々麺」を注文してみましょう。まずは食券を購入して、と。トッピングの種類もたくさんありますね。

斎藤さん
「担々麺だったら、具はひき肉しか入っていないので、チャーシューや玉子を追加していただいてもよろしいかと。あと、意外に思われるかもしれませんが九条ネギ。これが担々麺にドンピシャなんですよ。最初から九条ネギは乗っていますが、追加でさらにたっぷりかけてもらっても美味しいです。それと、好き嫌いがあると思いますがパクチーも是非」

大塚新聞
「パクチー! 大好物です。『辛麺(担担麺、麻辣担担麺、酸辣麺)』専用のトッピングなんですね。一気にアジアン風味が増しそうですね。とりあえず今回はプレーンでいただきます!」

おお、本当だ。一口スープを飲んでみたら、ちょっと拍子抜けするくらいマイルド。でも、食べ進んでいくうちにスープのコクが効いてきて、体がポカポカあったまってきました。

ひき肉の旨みと、鶏の出汁、黒酢とリンゴ酢を使ったタレ、それから牡蠣の隠し味が絶妙にブレンドされて、口の中いっぱいに広がります。甘味、辛味、酸味の三つ巴!!! 九条ネギのアクセントもたまりません。

大塚新聞
「店長、まだイケそうなんで『塩ラーメン』をお願いしてもいいですか?」

斎藤さん
「ぜひぜひ」

そう言いながら斎藤さんが取り出したのは、2種類のチャーシュー。え、両方入るんですか? なんて贅沢なんだ!

斎藤さん
「オーブンで焼いたチャーシューと、低温調理のチャーシューです。普通、低温調理というと真空パックにして、60〜70℃くらいのお湯の中にずっと漬けておくんですけど、うちは油でコンフィしています。フランス料理の手法を応用したもので、肉の旨みをそのまま封じ込めることができるんですよ」

ちなみに麺は、こちらの製麺機で作っています。ざくざくしていて、まるで蕎麦のような食感。国産の中力粉を使っているため、やわらかさも抜群です。

斎藤さん
「麺の種類も、担担麺と塩ラーメンでは違うんですよ。担々麺には卵が入っています。合計4種類の麺を使い分けてるなんて、他のラーメン屋さんではなかなかないと思いますよ」

お、こちらは牡蠣の隠し味が、担々麺よりもグッと前に出てますね。芯はもちろん鶏出汁なのですが、そのまわりを牡蠣の「旨み」が包み込む感じ。磯の香りがほどよく効いているので、塩味は控えめなのに物足りなさは全くありません。これ、女子にも好まれそうですねえ。アルデンテで茹でた麺は、芯もしっかり残っているので、スープはスープ、麺は麺と、それぞれの味を楽しめるのも嬉しい。2種類のチャーシューを交互にかじり、味の違いを堪能してたら天にも昇る心地になりました。

大塚新聞
「店長、ごちそうさまでした! 最後に、店長が大切にしていることを教えてもらえますか?」


斎藤さん
「先日、小さいお子さんがスープをぐびぐび飲んでくれて。親御さんが『他のお店では、こんなことないんですよ』っておっしゃってくれて。それがとても嬉しかったんですよね。大切にしていることは、日々美味しいラーメンを作り続けること。それだけですね」

ほんと、2杯なんてペロッていけてしまうくらいヘルシーで美味しかったです。
また食べにうかがいますね!

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創作麺工房 鳴龍
東京都豊島区南大塚2-34-4 SKY南大塚 1F
03-6304-1811
昼の部 11:30〜15:00
夜の部 18:00〜21:00
ランチ営業、日曜営業
定休日 火曜日(月曜日は昼の部のみ)
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