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ねぇ、知ってる? ビリヤードには穴の開いてない台もあるんだよ

大いなる独断と偏見ではありますが、大塚新聞が“大人の趣味”として憧れるスポーツのひとつに「ビリヤード」があります。

だって……、
ほら……、
ビリヤードの上手い人って、
どことなく……、
ダンディな雰囲気が漂ってるでしょ!!
(注:間違っても“ゲッツ!”な芸人ではない)

そんな妄想もそこそこに、今回は大塚駅北口から徒歩5分程度の場所にある「ビリヤードクラブ ナビー」を訪問。ダンディになれるかどうかは遥か向こうに置いておき、ひとまずビリヤードの“いろは”の“い”を教えてもらいました。

一見するとすぐに分かりますが、ナビーの店内には基本的にビリヤード台しかありません。アーケードゲームやUFOキャッチャーはもちろん、ダーツや卓球台などの遊技台も一切なし。まさに、純粋なビリヤード専門店なのです。


ビリヤードクラブ ナビー
オーナー 石橋 毅一さん

オーナーの石橋さんはプロのビリヤードプレーヤー。師事したのはなんと世界チャンピオンになったこともある「小林伸明」氏で、小林さんのお店で修業をしながら11年間勤めた後、16年前に独立してこのお店をスタートさせたそうです。

石橋さん
「僕の経歴はちょっと異色でね。
もともと出版社に勤めていたんだけど、その会社の体質にどうも馴染めなくて3年で退職。大学時代から趣味でビリヤードをやっていたから、『ビリヤード場が経営できたら』と考えて師匠のところでそのノウハウを学んだんだ。だから、プロになったのはその後付けって感じだよ。

当時は『サラリーマンには向いてない』と感じていたからこの業界に入ったんだけど、やってみたら結構大変だった。
いまは『サラリーマンが良かったな』とは思うかな。
完全に若気の至りだったね(笑)

経歴を聞いていたら、すごい人なのかそうでもない人なのかちょっとわからなくなってきましたが、とにかく上達するコツを聞いてみましょう。

大塚新聞
「ビリヤードの初心者は、どうやったら上手くなれます?」

石橋さん
「一番大事なのは“最初に誰に出会うか”かな。これはつまり“最初に誰に教えてもらうか”ということ。それによってその後の上達具合も変わってくるね」

大塚新聞
「最初が肝心ということですね」

石橋さん
「フォームは誰でもそれなりに教えられるけど、ストローク(球を撞く動作)はちゃんと教わらないとダメ。変なクセが付いてしまうと、あとから直すのが難しいんですよ」

大塚新聞
「変なクセにはどんなものがあるんでしょう?」

石橋さん
「たとえば、球を撞くとき、腕をちゃんと引かないで押すように撞く人がいるんです。
まず、本来の撞き方を紹介しますね。


①構えて

②腕を引いて

③撞く

でも、ダメな人は②でちゃんと腕を引かないから、球に勢いをつけるために“押そう押そう”としちゃうわけです。

これはゴルフでいうと、球を打つ時にテイクバック(腕を後ろに引く動作)をしないで球を打とうとすることと同じ。そんな打ち方では、球は遠くに飛ばせません。これはビリヤードも一緒なんですよ」

大塚新聞
「ちなみに、どれくらい練習するとプロ並に上手くなれます?」

石橋さん
「メンタルな部分は別にして、技術だけなら1年ぐらいでプロ並にはなれますよ。
ただし、基本をしっかり踏まえたうえで毎日練習を続けられれば、の話だけどね

大塚新聞
「“毎日”という部分が一番難しいかも(汗)」

大塚新聞
「ところで、店名の『ナビー』には何か意味はあるんですか?」

石橋さん
「店名の由来は娘の名前が元になってます」

大塚新聞
「えっ? もしかしてハーフ!?」

石橋さん
「ちょっと違います。

どういうことかというと、アメリカ流の愛称の付け方が元になっているんです。たとえば、『ロバート』の愛称は『ボビー』になるんですよ。

これにプラスして、このお店を開いたのがちょうど娘が生まれた年なんです。そんな巡りあわせがあって、僕の師匠が娘の名前をベースにして『店名はナビーにしたら』といってくださって店名が決定したわけです」

大塚新聞
「それじゃ、娘さんの年齢でお店を何年やっているかわかるわけだ」

石橋さん
「確かにそうですね。
もっとも、娘はまったくビリヤードをやりませんけれど……

さて、ナビーはビリヤードの専門店ということで、一般的なアミューズメント施設とはちょっと違うところがあります。

石橋さん
「うちの特徴はキャロム台があることなんですよ」

そういって見せてくれたのが、ブルーカラーのラシャが鮮やかなひと回り大きいサイズの台。このキャロム台、よく知られている一般的な台と大きく違うのは、台の四隅や側面にポケット(穴)がないという点です。

ビリヤードに詳しくない人だと「穴がないのにどうやって遊ぶの?」という疑問がわくと思うので、話を進める前にちょっとビリヤードの基本をおさらいをしましょう。

そもそもビリヤードにはいくつかの種類があり、日本で一般的に知られているナインボールやエイトボールなどは穴の開いている台で行う「ポケット・ビリヤード(以下ポケット)」に分類されるゲームの一種となります。

一方、キャロム台はポケット・ビリヤードとは違う種類の「キャロム・ビリヤード(以下キャロム)」を楽しむための台。キャロム・ビリヤードにはスリークッションや四つ玉などのゲームがありますが、どれも球を穴に“落とす”ことが目的ではなく、複数の球に“当てる”ことが目的となるため、台に穴が必要ないというわけなのです。

大塚新聞
「キャロムをやる人は多いんですか?」

石橋さん
「比率でいったらポケットの方が多いけれど、ポケットに慣れた人がキャロムに移る場合はありますよ。というのも、キャロムには基礎力がないと試合にならないゲームもあるからです。

たとえば、スリークッションというゲームは手球を撞いて残りの2つの球に当てるゲームなんだけど、2つ目の球に当てるまでに手球を3回以上クッション(壁)に当てないといけないのね。」

大塚新聞
「3回以上!? それは初心者には絶対無理だ……」

石橋さん
「さっき、ポケットは努力に努力を重ねれば1年でプロ並になれるって話をしたけど、キャロムは3年ぐらいかかるイメージかな。

ただ、だからといってこれは“どちらが難しい”ということではないんですよ。
たとえば、ポケットは基本的に球を“一番入れやすい穴に落とせばいい”ので、答えはわりとわかりやすいんです。一方キャロムは、端的にいうと2つの球を当てる“答え(方法)がいっぱいある”というイメージ。だから、どれが一番正しい答えかを見つけだすのが簡単ではなく、それを覚えるのに時間がかかるんです。

まあ、奥の深さはどちらも変わらないですよ

大塚新聞
「穴がないだけでゲームは随分変わってくるんですね」

石橋さん
「キャロム台は穴が開いていないだけじゃなくて、
ヒーター(暖房)も内蔵されているしね

大塚新聞
「ヒーター!? 何でですか?」

石橋さん
「それは、球をより転がりやすくするため

さっきスリークッションは“3回壁に当てる”という話をしたけれど、そのためには球が長く転がってくれないと話にならない。球はラシャが乾いている方がより転がるんだけど、ヒーターがあるとないとじゃ球の転がり方が全然違うんだ。
だから、ヒーターは一年中つけっぱなしだよ」

大塚新聞
「それじゃ、電気代も大変ですね」

石橋さん
「うん、だからキャロムはプレイ代がポケットより1.5倍ぐらい高いよ」

大塚新聞
「やっぱり、そうなっちゃいますか……」

大塚新聞
「25年ぐらい前には映画『ハズラー2』でちょっとしたビリヤードブームがありましたが、最近そういった話はちょっと聞きません。今の若い人とかはどんな感じですか?」

石橋さん
「10年ぐらい前までは大学生や20代の人も結構いたけれど、いまは大学生がやらない感じだね。もちろん、まったくいないわけじゃないけれど、昔に比べると割合はかなり減ってる。
新規が少ないから、業界全体として10年後が心配というイメージだよね。
何かブームでも起きない限りは……」

大塚新聞
「何かいい方法はないものですかねぇ」

石橋さん
「うちではホームページ上に掲載しているんだけど、若者向けに
『25歳以下は3時間1000円!!』
というキャンペーンをやっていますよ。

しかも税込(笑)、破格でしょ?
やっぱり、若い人には少しでもやってもらいたいよね」

大塚新聞
「それって半額以下じゃないですか!? う、うらやましい~」

25歳以下であれば、このキャンペーンは本当にお得。まだビリヤードで遊んだことがないという若い人は、ぜひともこのチャンスを生かしてほしいところです。

もちろん、昔のブームを知っている世代の方も、昔を思い出してプレイしてみてはいかがでしょうか。ダンディになれるかはともかく、れっきとしたスポーツですからちょっとした気分転換にももってこいですよ。

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ビリヤードクラブ ナビー
東京都 豊島区北大塚1-18-11 大塚KYビル5F
03-3576-1226
[平日] 13:00~翌4:30
[土、祝前日] 12:00~翌4:30
[日祝] 12:00~24:00
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