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モスクのそばで、ハラル食材を身近に!コミュニケーションを大切にする『ラフマニアハラルフードショップ』

大塚駅南口から天祖神社を通り、商店街の中心から少し奥に行くと「ラフマニアハラルフードショップ」があります。ハラルフードとは、簡単に言うとイスラム教の戒律にのっとった、イスラム教徒のための食材です。
マンションビル入口の扉を開けると、カルダモン、コリアンダー、クミン、シナモン等々たくさんの香辛料がブレンドされたような香りが出迎えてくれます。

DSC_0120*店頭に立つラフマンさんのお兄さん

コンパクトな店内には、調味料、香辛料、豆類、鶏肉、牛肉、羊肉、お菓子、バスマティライス、サモサ、マンゴジュースなどがたくさん棚や冷凍ショーケースに並べられています。

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「塩辛さと酸っぱさが特徴のチャットマサラを少しサラダに乗せればドレッシングいらずのエスニックサラダになります」
「皮付きレンズ豆は炊飯器入れてそのままたけばヘルシーなお赤飯のようなご飯ができます」
そう店内の品物を見せながらレシピを教えてくれたのは店主のラフマンさんです。

モスクのある大塚でお店を開く

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ラフマニアハラルフードショップを立ち上げる前は、レストランの正社員として働いていたラフマンさん。なぜ、大塚でハラルフードショップを始めようと思ったのでしょうか?
「2008年、大塚モスクにお祈りしに来たんですよ。当時はハラルショップも今ほどいくつもありませんでした。みなさんお祈りしにモスクに来て、食べ物を探していて、コンビニへ行っても、豚のエキスとか入っているので食べられない。お祈りや遊びに来ても、お腹が空いてきて、ハラルの食べ物がなくてとても困っていたんです」
当時大塚にはハラルショップが1店ありましたが、半年足らずで閉店になってしまったそう。その店はビルの5階にあり、階段で行かねばならず客足がどうしても遠のいてしまう立地でした。
「やるなら大塚で。モスクの近くで」
知り合いやモスクの方も応援してくれました。2008年、ラフマニアハラルフードショップは大塚でオープンしました。

ハラルフードとは?

DSC_0023*扱う食品の多くにはハラルマークが表示されている

冒頭でハラルフードとはイスラム教徒のための食材と先述しました。これは他の食材とどう違うのでしょうか。ラフマンさんに尋ねました。
「動物でしたら、首に必ず包丁を入れてちゃんと殺すことです。牛を殺すところを見たことはありますか?」
ラフマンさんはそう言うと、故郷であるバングラディッシュでの牛祭りの際に牛を屠殺した様子をスマホで見せてくれました。広場のようなところで親戚が集まっています。牛は少し抵抗しますが、脚を縄で縛られ観念したように大人しい。
「僕らは見て泣いているんですけど、それが当然なんですよ。殺し方が決まっているのです」
お祈りしナイフを喉に入れて血を抜いたものがハラルとして認められます。
「そういうものを食べて生きています。動物をちゃんと神様の前で殺していますよ。我々はこうやって肉を解体して、3分の1は自分たちに、3分の2は裕福ではない方々におすそ分けするんです」
「食べてはいけないものは、ウサギ、豚肉、犬、猫。牛でも電気で殺したものはだめ、血を抜いたら大丈夫です。色々あるんですよ。細かく説明すると、1日、2日では終わらないですね」
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「いのち」が食べ物になっていく過程、「いのち」を食べるということの有り難さを想像させられます。ラフマンさんのバングラディッシュの故郷ではもうすぐ今年の牛祭りが行われるそうです。

お客さんに「愛」を出すのが一番大事

DSCF2244*様々な国の国旗が描かれた看板

インタビュー中もイスラムの方が、度々食材を購入していきました。接客場面での会話は初めて聞くような言語です。一体お客さんとはどんな言語で会話されるのでしょうか?
「言葉は英語、日本語、ベンガル語、パキスタン語、ヒンディー語、ネパール語、アラビア語、マレー語、インドネシア語。だいたい挨拶と会話はできるんですね。イスラムの挨拶は世界のどこに行っても一緒です。ということはですね、人間の肌の色ってあるじゃないですか、白黒関係ないですね」
アジア系、ヨーロッパ系、アフリカ系、中華系でも、イスラムはいて、同じイスラムでも食文化は違う。例えば、インドネシア、パキスタン、バングラディッシュはカレーの文化ですが、材料は同じでもカレーの作り方が違うと言います。しっかりしたハラルフードショップを目指すならば様々な地域の味のニーズに応える必要があるのですね。

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「お客さんへの言葉使いとか、ちゃんとコミュニケーションをとっているからやっていけていると思っている。お客さんにどういう風に愛を出すのかが一番大事。困っていることに応えるのを大切にしている」
そう語るラフマンさんのラフマニアフードショップは、年中無休であり、終電の時間までお店を開けていてラフマンさんのお兄さんと一緒に切り盛りしています。夜遅くまでやっている経緯についてラフマンさんは、「お客さんから、夜遅く家に帰って何も食べるものがない。できれば、1時過ぎまでお店がやっていてくれたらありがたいな。お願いって言われたんで、それで『いいよ』ってこたえて、終電時間までの営業をはじめた」と言います。まさにお客さんの困っていることに応えているんですね。

DSC_0133*記者との写真で、笑顔を見せてくれたラフマンさんのお兄さん

2011年の震災の直後、訪日外国人の多くが故郷へ帰ってしまう中、「帰ってはいけないと思った。死ぬならば日本の皆さんと一緒に死ぬんだ」、そんな気持ちでお店を続けたと、ラフマンさんは語りました。
ラフマンさんの接客で日本人のリピーターも多く、調味料や豆をよく買っていくとのこと。今後も大塚の味覚に彩りを添えてくれそうです。

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ラフマニアハラルフードショップ(RAHMANIA HALAL FOOD SHOP)
東京都豊島区南大塚3-40-8 大久保商事ビル1F
03-3983-8678
営業時間
11:00~終電時間まで
無休

記者:石田 耕一
大塚在住歴2年。大塚をもっと知り、楽しみ、味わいたいと思って記者となる。都電がそばを走っていて幸せを感じている。作業療法士、フェルデンクライスプラクティショナーとしての顔も持ち、「楽な身体の動き」に興味を持っている。好きな言葉は「ひとやすみ」。

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